マスク社会への移行ーフィンランドから


地球だより

 フィンランドでは、マスクを着用する人は今までほとんどいない。国内での新型コロナウイルス感染者数は、8日の時点で新規感染者数30人未満とそれほど深刻ではない。だが、国立健康福祉研究所(THL)は今月の初め、特に公共交通機関でのマスク着用を推薦すると発表した。

 これは、夏休みも終わり、学校が始まることや、人々が自宅から職場での仕事に戻りつつあること、海外からの入国者の感染が目立つようになったことなど第2波は避けられないという考えからだ。

 今まで国内では「マスク着用」の議論はあったが、ほとんどの人は着用していない。先日、久しぶりにヘルシンキと周辺の都市を結ぶ通勤電車に乗ったが、ほとんどの人は着用していなかった。しかし、第2波が来れば着用する人は多くなるだろう。実際、THLが発表して以来、人々がマスクを買い始め、店の棚からマスクが消えたといったニュースや、雑誌等で布マスク販売の広告が目に付くようになった。

 以前、コロナ感染が始まった時期、薬局にマスクを買いに行ったが、マスクは一つもなかった。薬局の人に聞くと、「すべて売り切れた。次はいつ入荷するかわからない」と言われ、驚いたことがある。なぜなら、その頃、マスクをしている人を見掛けることはなかったからだ。社会全体がマスク着用へと移行するのも時間の問題とみられており、その時には十分なマスクが市場に出回っていてほしいものだ。

(Y)