日韓関係悪化が観光に直撃
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
日韓関係の悪化の影響は沖縄県にも及んでいる。
韓国プロ野球の三星(サムスン)はこのほど、沖縄県恩納村で行う予定だった秋季キャンプの中止を申し入れた。村関係者によると、「韓国で日本に対する雰囲気が悪化している」ことを理由に挙げているという。
昨年は10月から1カ月間、選手や監督スタッフなど90人近くが沖縄入りし、韓国から多くのファンや報道関係者が訪れた。サムスンは2005年から春季キャンプ地を恩納村としており、09年からは秋季キャンプも行ってきた。
沖縄県ではサムスンを含む韓国プロ野球7球団がキャンプを行っているが、サムスンは「他のチームも沖縄に行けなくなるかもしれない」と説明したという。全球団のキャンプが中止になると、キャンプ地周辺のホテルや飲食業に大きな影響が及ぶ。
沖縄と韓国を結ぶ航空路線は、ほとんどの航空会社が減便または運休を決めた。沖縄からは仁川、釜山、大邱の3都市を結ぶ週71便が運航していたが、運休・減便の措置が取られる9月と10月は週30便ほどとなる。唯一、日本の航空会社で就航しているピーチアビエーションは来年1月28日から2月22日の期間を運休とすることを決めた。
沖縄を訪れる観光客の中でも、ここ数年、韓国は順調に伸びていた。ただ、7月に沖縄を訪れた韓国人観光客数は2年ぶりに4万人を割り込み、今後も減少は避けられない見通しだ。
こうした中、沖縄観光コンベンションビューローは8月29日、那覇空港国際線ターミナルで外国客の送迎のセレモニーを開いた。到着ゲートの前では外国客へ記念品をプレゼントするなどし沖縄訪問を歓迎した。
(T)