共産党ポスト志位氏は誰か
共産党が野党共闘路線を維持している。来年の参議院議員選挙をターゲットに、野党共闘を呼び掛けている。10月13日から14日まで開催された共産党中央委員会総会では、参議院議員選挙での野党共闘を実現するため、野党間の真剣な協議を実現しようとの呼び掛けがなされた。日本民主青年同盟も、9月27日に発表した、年末に開催される第42回全国大会への決議案の「2.青年と共に願いを掲げた運動を広げ、選挙で政治を変えよう (2)参院選・統一地方選へ、たくさんの青年と立ち上がろう」で、「来年7月の参議院議員選挙は、青年の要求を実現し、9条改憲を止めるとともに、青年の願いが実現する野党連合政権へ道を開く歴史的なたたかいになります」としている。
しかし、参議院議員選挙で敗北し、共産党の議席が減った場合、党執行部への党員からの批判は避けられない。選挙区に候補者を立てて比例区を戦った方が、議席も増加し、党勢が拡大したのではないかと。
共産党の中に、「野党連合政府の実現は、綱領に定められた共産主義革命への道」という意義が薄れ、野党連合政府の実現自体が目的となってしまうと、党執行部への批判が出よう。党執行部が「一歩後退、二歩前進」と主張する野党共闘には、野党の中からも共産党の潜り込み戦略、白アリのような団体だと批判を受ける。その野党共闘により共産党の議席が減ると、党執行部の路線への不満が党員から噴出するのは必至である。
そうなると、参議院議員選挙後に開催されるかもしれない全国大会で幹部の交代があるかもしれない。党勢衰退の責任を取らされての志位和夫委員長の交代もあり得る。共産党は、党員の高齢化が進み、青年党員に続いて、労働者党員も消滅傾向。大胆な人事も考えられる。
新たな党の顔として予想されるのは、現在の党職で小池晃書記局長、田村智子副委員長、山下芳生副委員長である。志位委員長は64歳、小池書記局長は58歳、田村副委員長は53歳、山下副委員長は58歳である。
3人を比較すれば、小池氏は民医連の医者であったが、38歳の時に参院議員選に比例区から立候補し当選、その後、党活動を職業とするようになった。山下氏は、生協で働いたことが少しあるが、すぐに大阪の日本民主青年同盟北河内地区委員会で専従地区委員長となり、その後、大阪府副委員長、参院議員など党活動を職業とした。田村副委員長は、大学卒業後、日本民主青年同盟勤務、その後、党活動を職業としている参院議員だ。
山下氏には慢性の腎臓病があり、昇格は考えられない。小池氏は、青年期を専従ではなく医者として過ごしたので、共産主義の基本文献などの学習に疑問が残る。そうなると、田村氏が昇格の可能性が高い。
田村氏は、学生時代から科学的社会主義や共産党の幹部の著作を学習し、「資本論」などの知識もある。また、昔の日本民主青年同盟、日本全国で20万人強、東京23区にそれぞれ100人以上の地区があった当時を知っている。彼女には特に理論的な論文発表などないが、女性を委員長にして共産党が党勢復活を図ってくるかもしれない。