講座「ぐんぐん洗濯が上手になる!!」
繊維の素材、洗い方の基本に忠実に
食事中にスープやタレが飛んでお気に入りの服にシミができた、そんな時、最初に何をする? そんな疑問に応える講座「ぐんぐん洗濯が上手になる!!」が、このほど、多摩消費生活センター実験実習室で行われた。東京都消費生活センター相談課技術担当の中村宏氏による洗濯の常識、シミ抜きのレクチャーと実験・実習の中で中村氏は「繊維の素材を確認すること、汚れやシミが何でできたものかを知ることが基本」と来場者に語り掛けた。
多摩消費生活センターで、シミ抜きなど実験・実習も
中村氏は最初に通常の洗濯のコツについてレクチャー。洗い物1に対して水は10、洗剤は適量、あらかじめ溶かし、襟や袖には専用洗剤、漬け置きは効果があり30~60分、タンパク汚れには酵素が有効、手洗い表示は押し洗いで、など基本的なポイントを紹介した。家事のベテラン受講者は「確かに……」とうなずいていた。
最近では自宅でクリーニング効果を挙げる洗剤なども市販されているが、デリケートな衣類、和服や毛皮など特殊なもの、自宅では難しい衣類は、商用クリーニングを上手に利用することを勧めていた。また、お気に入りで長く使っている衣類に関しては、現状回復が精いっぱいで、買った時のように、など過度の期待は禁物と中村氏は語った。
シミ抜きに準備するものとして水、液体洗剤、溶剤(ベンジン)、シミ抜きセット(油性用、タンパク系用、タンニン系用)、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤、道具類としてタオル、歯ブラシ、下敷板、場合によっては筆など。講座当日は汚れの素(もと)にしょうゆ、チョコレート、口紅を5㌢角の綿繊維の上にのばしたものをシミ抜き実習で使った。
手順として下敷板の上にタオルを乗せ、その上に汚染布を置く。水で溶けるシミであれば、水をスポイドで周りから浸透させ、歯ブラシでたたく。タオルの場所を替えながら操作を続け、シミが取れたら、水ですすぎタオルで水分を取る。
「しょうゆはこの手順で十分奇麗になったが、チョコレート、口紅はのび、広がるだけで、なかなか落ちない」という受講者の声に中村氏は「シミ抜きセットを使ってみてください。使用する場合は油性用、タンパク用、タンニン用の順に。さらに効果を出したいときは温度を高く、濃度を濃く、時間を長くすれば、良いですよ」と語り、「強過ぎると、繊維を傷めたり、色落ち、変色の元になるので、確かめながら行ってください」と注意点も添えた。






