既存のメディアは魅力的な職業でない
韓国民のニュースに対する信頼度が世界36カ国中で最下位だという。韓国メディア振興財団が英ロイタージャーナリズム研究所と共同で韓国と米国、英国、フランスなど総36カ国7万1805人(韓国2002人)を対象に調査した結果だ。
ニュースを敬遠する理由として、韓国ではセウォル号誤報以後、メディアへの信頼度に疑いが生じ、また途方もなく多くなったインターネットニュースメディアが未検証のニュースを量産して、国民がニュースを信じられなくなったということだ。
信頼度の下落はメディア、すなわち新聞や放送が魅力的な職業でないということを指している。最近、米国の職業調査機関キャリア・キャストが200職業を対象に成長展望、収入、勤務環境などを調査した結果、放送記者が199位、200番は新聞記者だった。
米国でメディア業種は昨年の所得増加率がマイナス9%、放送広告市場がマイナス成長し、新聞記者年俸もマイナス8%だった。視聴率、広告、資本と人材の流入などを見ると、新聞と放送の時代は20世紀末ですでに幕を下ろしたという人もいるほどだ。
英国のBBCや米国のPBSも放送業者でなくマルチメディアグループに変身するという。もはや視聴者を居間のTV前に呼び戻せなくなっているのである。
紙新聞、TV受像機というメディアを越えて、クラウドを通したインターネット、モバイル、バーチャルリアリティー(VR)等、仮想空間がすべての情報の交流と取引場所になった今、新聞と放送は過去のように伝達だけする方式を抜け出し、どのように未来に生き残る、展望ある職業になることができるだろうか。既存のメディアは新しい生存戦略を要求されている。
(李東植(イドンシク)・メディア人・歴史研究者、7月24日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。