サード、慰安婦像、大統領風刺画
事大主義・マルクス主義の罠に
韓国人はいま分裂と党派争い、偽善と怒号のドラマの中にいる。ドラマの決定的な3場面がまさにサード(高高度防衛ミサイル)、慰安婦像、大統領風刺ヌード画だ。一見、何の関連もないこれらの事件は“事大主義・植民主義・マルクス主義”の罠にはまった典型だ。
サードは核とミサイル、大陸間弾道弾(ICBM)発射まで控えている北朝鮮との対立局面で選択できる唯一のカードだ。中国と蜜月関係を作り、「抗日戦争勝利」式典で歓待された朴槿恵(パククネ)大統領も、韓国の地政学的条件の前では他の方法がなかっただろう。
昨年末、共に民主党議員が訪中し、自分たちがサード配置反対勢力のように振る舞った。中国当局はこの「事大」を受けかつての高姿勢となって経済関税報復をし、韓国の内憂外患を利用して自分たちの国益を追求している。
慰安婦像問題はより一層深刻だ。これはまだ韓国人が植民地コンプレックスから抜け出せないでいる姿を表している。韓日間の未来発展を企てなければならない歴史的時点で、過去の恨みと憤怒を刺激し、国家を混乱に陥れて、何の利益があるのか。
歴史を過去の記憶と怒りに任せて、主体的反省なしに他人(日帝)のせいにする発想だけでなく、過ぎた歴史を審判しようとする愚かさを表すものだ。
丙子胡乱(へいしこらん)(1637~38年)の時、清国は仁祖に泥田を渡らせて臣下にし、朝鮮の婦女数千人を献上させた。これを見ていた当時の朝鮮の貴族、知識人らはいったい何をしていたのか。清国であらゆる侮辱を受けて脱出して戻った婦女子を還郷女(故郷に戻った女)と罵倒し、自決させるように放置した。
朴大統領パロディヌード画は、共に民主党の表蒼園(ピョチャンウォン)議員が企画した風刺画展に出品された。「汚れた睡眠」と題された絵は心理的に女性卑下と人権蹂躙(じゅうりん)の極限状態を表している。仏画家マネの“オランピア”をパロディにし、朴大統領の横たわった裸体を中心に崔順実(チェスンシル)とセウォル号を背景にして、朴大統領の腹部には朴正煕元(パクチョンヒ)大統領の肖像写真とサードミサイル、珍島犬2頭がおり、崔順実が注射器の束を持って、その向こう側で沈没しているセウォル号がある。この自虐的な風刺画は弾劾に賛成している人々の深層心理を表した作品でもある。
サードは一部知識権力エリートの蘇(よみがえ)った事大主義を象徴し、慰安婦像は党派争いの結果、植民地になった韓民族の悪循環の植民地コンプレックスを象徴し、風刺ヌード画は国家解体の解放区を連想させる。これらはみな独立国家を維持できない韓国男性権力の自己否定的・分裂的姿という共通性がある。
事大主義・植民主義・マルクス主義の罠を抜け出さなければ韓国の未来はない。悪は常に善と正義を偽装し、自身の悪を相手方に転嫁する特徴がある。
(朴正鎭(パクジョンジン)セゲイルボ平和研究所長・文化評論家、1月30日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。