観光客増大へ多くの課題
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
学校も夏休みに入り、いよいよ夏の観光シーズンが始まったが、沖縄県への入域観光客が順調に伸びている。
今年6月には55万7300人と対前年同月比で6万8200人、13・9%増加、6月の過去最高を記録した。外国客は2カ月連続で9万人を超えた。
昨年1年間の入域観光客数は641万3700人で、前年の584万人から57万人増え、これまで過去最高だった平成20年の604万5500人を大きく上回った。県は今年の目標を700万人としているが、「何とか実現できるのではないか」(県文化観光スポーツ部)という。
しかし、入域観光客数は伸びているものの、観光客1人当たりの消費額をみると、平成20年度まで7万円台で推移していたものの、平成21年度には6万6403円と7万円を切り、平成25年度は6万8062円と3年連続で6万円台。「宿泊費」も3年連続で2万円を割り、「土産・買い物費」も平成21年度の1万7520円から減少を続けている。
国内客の平均滞在日数は、平成16年度の3・70日からほぼ横ばいで、平成25年度の3・83日まで3・8日前後で推移している。改善には、何らかの対策が必要だ。
さらに、観光産業における人材不足は深刻(求人倍率は1・6)で、サービス業従事者等の雇用の安定と給与の向上、観光振興に資する人材育成の促進などの課題がある。
これに対し、沖縄県は、5月1日に国家戦略特区方針地域の国際観光拠点特区地域に選定され、現在本格的な準備を進めている。県がいかに民間の提案を受け入れ、外国人観光客増大を図れるか、これからが勝負だ。(H)