緊急事態宣言下で目立つ米軍の不祥事・事件
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
コロナ禍で沖縄県が1月20日に独自の緊急事態宣言を出して以来、米兵による不祥事・事件が目立っている。
1月31日午前5時、那覇市内の駐車場で女性にキスを強要するなどわいせつな行為をした事件が発生。沖縄県警は2月11日、キャンプ・コートニー(うるま市)所属の海兵隊の男を強制わいせつの疑いで逮捕した。その5日後の16日、那覇市の国際通りで停車中のタクシーのドアを蹴ったとして、普天間基地(宜野湾市)所属の海兵隊の男が器物損壊容疑で現行犯逮捕された。
いずれのケースも深夜から未明にかけて飲酒した疑いがあり、酒に酔っていたとされる。在沖米海兵隊は現在、新型コロナウイルス対策として基地外での飲食を制限している。国際通りは、立ち入り禁止区域に定められていた。
沖縄県議会の米軍基地関係特別委員会は16日、日米両政府に対する抗議決議と意見書案をまとめた。
県も対策に動いている。深夜帯の基地外への外出などを規制する米軍の「リバティー制度」に同隊員が違反した可能性があるとして、17日、外務省沖縄事務所の橋本尚文沖縄担当大使と沖縄防衛局の田中利則局長を県庁に呼び、抗議文を手渡した。その上で「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム」の開催を求めた。
その後も事件は起きた。19日深夜、北谷町の路上で酒を飲んで車を運転したとしてキャンプ・フォスター所属(北中城村など)の海兵隊の男が逮捕された。
新型コロナ感染拡大による自粛期間が長引き、「自粛疲れ」があるのかもしれないが、全国的に感染者が減少しつつある中、沖縄に駐留する米軍にも規律を守ってもらいたい。
(T)