仏でコロナが再流行


1日の感染者6000人、パリでマスク義務化

 フランスのカステックス首相は27日、新型コロナウイルスが「否定できないレベルの再流行」との認識を示し、新たな感染対策を発表した。特別警戒地域「レッドゾーン」の指定をパリ首都圏とフランス南部マルセイユの2カ所から21カ所に拡大。首相は、迅速に対応しなければ、流行の速度は「かなり速くなる」と警告した。

27日、パリのシャンゼリゼ通りをマスク姿で散歩する人々(AFP時事)

27日、パリのシャンゼリゼ通りをマスク姿で散歩する人々(AFP時事)

 フランスでは27日、過去24時間の新規感染者数が6111人と、ロックダウン(都市封鎖)を解除した5月初め以降で最多を記録。政府は広範囲のロックダウンを回避するため、28日午前8時からパリ市と隣接3県でマスクの着用を義務化した。

 9月1日から新年度が始まる学校では、11歳以上の中高生のマスク着用が義務付けられる。会社のオフィスで働く従業員も同様だ。

 仏政府は、大都市周辺に暮らす多くの市民が夏の長期バカンスをリゾート地でマスク無しで過ごしたことで、感染が一気に広がったと見ている。ヴェラン保健相は、新型ウイルス検査を「必要な人だけでなく、検査したい人」も受けられるよう、9月から1週間で100万人規模まで引き上げると約束した。

 欧州では、ドイツのベルリンや英国のロンドンで感染拡大が本格化し、対策強化が進められている。

(パリ 安倍雅信)