「赤旗」共産党大会 「野党政権」掲げ中国批判

「多数者革命」日本で目指す

 共産党の第28回党大会(14~18日)が開催中であり、同党機関紙「しんぶん赤旗」が報じている。15日付1面は、「世界の本流に立って日本社会の『豊かで壮大』な未来開こう」という標語的な大見出しと共に、立憲民主、国民民主など他野党からの出席を受け「野党連合政権実現を掲げて」との見出しを立てた。

 大会の焦点は党綱領一部改訂で、特に「新しい大国主義・覇権主義の誤りをいっそう深刻にする中国の動向を踏まえ、『社会主義を目指す新しい探究が開始』された国とした部分を削除する」「『発達した資本主義での社会変革は、社会主義・共産主義への大道』という規定を書き込んだ」(同日付)ことだ。

 同紙16日付によると不破哲三・党社会科学研究所所長は党大会で綱領改定案について発言し、中国が1966年以来、「日本の革命運動を自分たちの支配下に置こうという覇権主義をむき出しにして、わが党に対して野蛮な干渉攻撃を加えてき」たと批判。98年の関係修復は「大国主義、干渉主義への反省」を示したからと釈明し、それは過去のことになったと述べた。

 共産党は戦後合法化されると暴力革命路線に走り、大陸で武力により共産党政府を樹立した中国との関係も深かった。しかし、選挙と議会活動に重心を移す姿勢を中国が批判、67年に日中の共産党は激しく罵(ののし)り合い決裂した。関係修復は不破委員長時代のことで、当時は江沢民国家主席と不破氏の公式会談を盛んにアピールしたものだ。

 後者については「マルクス、エンゲルスの時代から、いわば当然の見かたとされた問題」と述べ、あくまでマルクスは正しいという立場だ。ソ連崩壊の時もソ連の失敗であり、マルクスやレーニンは正しいとの立場を変えなかった。

 志位和夫委員長は、「国民の多数の合意のもとにまず民主主義革命を実現し、さらに国民の多数の合意で社会主義的変革にすすむ」のは「発達した資本主義国において、多数者革命を『開始する』ことの困難性」があると説明。野党共闘は共産党が日本で共産主義を目指す「多数者革命」開始の一歩ということだ。

編集委員 窪田 伸雄