報復合戦回避の協議へ、デジタル課税で仏米首脳
フランスが導入した大手IT企業を対象とした「デジタル課税」について、アメリカのトランプ政権が自国企業を標的にしていると不満を表明し、フランスからの輸入品に関税の上乗せを検討している問題で、両国の首脳は対立解消に向けた協議を重ねていく考えを示した。
フランスのマクロン大統領はアメリカのトランプ大統領と3日、イギリスで開催されている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせて会談し、両首脳は話し合いによる解決は可能との考えを示した。
トランプ大統領は、フランスが導入を決めたデジタル課税は、アメリカのIT企業を標的とした不当な課税として、フランスからの輸入品に、約24億㌦分の関税上乗せを検討することを表明していた。マクロン大統領は、デジタル課税はアメリカだけでなくフランスや中国企業も対象と説明し理解を求めると共に「今の状況はトランプ大統領との間で解決できる」との考えを示した。
一方、トランプ大統領は「アメリカ企業である以上、アメリカが課税するのが原則」とし「話し合いによる解決か、互いに課税し合うかどちらかだ」と述べ、協議による解決の余地を残す発言を行った。アメリカへの輸出依存の高いフランスのワイン業者は、関税の上乗せは致命的として強い懸念を示していた。
(パリ 安倍雅信)