トランプ氏、3回目米朝会談「急がず」
核廃棄でビッグディール目指す
トランプ米大統領は11日、韓国の文在寅大統領とホワイトハウスで会談し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との3回目の首脳会談について、「性急に進めれば、正しい取引にはならない」と述べ、北朝鮮の出方を見極めつつ慎重に判断する姿勢を示した。一方、韓国側が求める南北経済協力については「適切な時ではない」と否定し、安易な制裁緩和にくぎを刺した。
南北経済協力 「不適切」と否定
トランプ氏は米韓首脳会談の冒頭で、「現時点では、ビッグディール(大きな取引)について話している。それは、核兵器を放棄させないといけないということだ」として、北朝鮮が核兵器の完全廃棄に応じることを条件に制裁解除を行う包括的な取引を目指す立場を強調。一方で、「より小さな取引もあり得る」と述べ、北朝鮮の対応次第では段階を踏んだ取引を行う選択肢も残した。
3回目の首脳会談については、「開催される可能性はある」としつつも、「急がずに、着実に進める」と述べ、北朝鮮の非核化に向け腰を据えて交渉に取り組む考えを示した。
トランプ氏はまた、「制裁は維持し続ける」と述べ、北朝鮮の完全な非核化まで継続する立場を改めて強調。「大幅に強化する選択肢もあるが、今は適切な水準にある」として、現時点での追加制裁は行わない考えを示した。
文氏は「北朝鮮の完全な非核化という目標で(米国と)一致している」と述べ、北朝鮮への融和姿勢に対する米側の懸念払拭(ふっしょく)に努めた。一方、「米朝対話の機運を保ち、前向きな展望を示すのが私の役割だ」として、米朝対話を促す立場を表明した。
トランプ氏は、文氏が期待する南北共同事業の開城工業団地再開などの経済協力について、「適切な時ではない」と指摘。ただ、韓国による北朝鮮に対する食糧などの人道支援については「差し支えない」と述べ、容認する考えを示した。
韓国大統領府によると、文氏はトランプ氏に近く南北首脳会談を開きたい意向を表明。また、トランプ氏に近いうちの訪韓を招請し、トランプ氏は謝意を示したという。