米議会超党派、日韓関係の悪化に懸念


改善求める決議案提出

 米議会の超党派議員は12日、元徴用工訴訟や韓国駆逐艦のレーダー照射問題をめぐり悪化する日韓関係の改善を呼び掛ける決議案を上下両院に提出した。背景には、2月末に2回目の米朝首脳会談を控える中、日韓関係の悪化が足かせになりかねないとの懸念がある。

 決議案では、日米韓3カ国が「北朝鮮が大量破壊兵器やミサイルの拡散などで世界の平和や安全を脅かすことがないよう連携している」と指摘。その上で「建設的で未来志向の日韓関係は、米国の外交、経済、安全保障上の利益や安定したインド太平洋地域の発展を支える上で重要だ」とし、日韓関係の改善を促した。

 決議案は、ガードナー上院外交委員会東アジア太平洋小委員長(共和)やエンゲル下院外交委員長ら計7人の超党派議員が提出。エンゲル氏は声明で、「日韓両国は過去の問題に共に対処し、建設的な関係を築いてきた」と表明。米朝首脳会談を控える中、日米韓が結束することが重要だと指摘した。

 また。シャーマン下院議員(民主)は、韓国最高裁が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた問題などを念頭に「われわれが直面する安全保障上の困難に対処する上で、歴史が障害となってはならない」と強調した。

 悪化する日韓関係については米政府も懸念を示している。インド太平洋軍のデービッドソン司令官は12日、上院軍事員会の公聴会で「日米韓などの民主主義国家が長期にわたって協力することが必要だと両国は理解していると思う」と述べ、日韓関係の改善を促す考えを示した。

(ワシントン山崎洋介)

(当記事のサムネイルはWikipediaから引用いたしました)