米大統領会見 「超党派が望ましい」
民主党との協力模索
トランプ米大統領は7日、ホワイトハウスで記者会見し、前日の中間選挙で野党・民主党が過半数を獲得したことを受け、「超党派的な取り組みや結束を望む」と強調。同党との協力を模索する考えを示した。
トランプ氏は、前日に超党派での議会運営に取り組む姿勢を示した民主党下院トップのペロシ院内総務の発言について、「極めて重要なことだ」と評価。協力可能な分野としてインフラ整備や薬価引き下げ、貿易問題などを挙げた。
トランプ氏の発言を受け、ペロシ氏も7日の記者会見で「われわれには共通点を見つけ出す責任がある」と語り、インフラ整備などの分野での協力に前向きな姿勢を示した。
ただ、移民問題や医療保険制度改革法(オバマケア)などをめぐって与野党で意見の隔たりも大きい。トランプ氏は、メキシコ国境での壁建設について、「建設のための費用が必要だ」と強調。追加資金の拠出を議会が承認しなければ、政府機関閉鎖も辞さない姿勢を示した。
また、トランプ氏は、下院を握った民主党が政権のロシアによる大統領選介入疑惑やトランプ氏の納税記録に関し、議会調査権を駆使して追及を強めれば、「戦争のような姿勢を取るだろう」と牽制(けんせい)。与党共和党が過半数を握る上院で民主党に関する調査を行う姿勢を示した。
司法省の管轄下でロシア疑惑捜査を指揮するモラー特別検察官の解任に動くとの見方もある中、トランプ氏は「私は、誰でも直ちに解任できるが、(モラー氏による捜査を)やめさせようとは思わない」と発言。一方で「捜査は行われるべきでなかった。なぜなら、犯罪は存在しないからだ」と述べた。
トランプ氏は、下院での過半数割れに関して、現職有利とされる下院選で再選出馬を見送った議員が多かったことなどが要因だと指摘。一方、上院で議席を伸ばしたことなどを挙げて、「私にとってはほぼ完全勝利だ」と主張した。