「日米同盟強化は世界の利益」

安保法制、成立へ1カ月強の会期延長

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27日、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で講演する自民党の高村正彦副総裁(早川俊行撮影)

 【ワシントン早川俊行】訪米中の高村正彦自民党副総裁は27日、ワシントンの有力シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、「安倍政権は日本の防衛体制を抜本的に再構成し、日米同盟をさらに強化しようとしている。この同盟を強化することは日本と米国の国益であり、地域と世界の利益だ」と、政府・与党が整備を進める安全保障法制の意義を強調した。

 高村氏は憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認について、「憲法9条は国民を戦争の惨禍から守るための規定だ。国民の安全を無視した神学論争は許されない」と主張。「米軍の艦船を一緒に守らなければ、やがては侵略国が自国に攻め込んでくる。そんな状態であれば、火の粉が母屋に移る前に火事を消そうとするのは当然だ」と述べ、日本の平和を守るために集団的自衛権を行使できるようにしておくことは不可欠との見方を示した。

 一方、中国の軍備増強と海洋進出は「懸念すべき動き」であり、「中国の軍事費は27年間で約40倍、ここ10年で約4倍になった」と指摘した。その上で、「中国の動きがアジアのバランスを崩すことがないよう、米国のリバランス(再均衡)を支える友人が必要だ。同盟国の日本がその第一の候補であることは間違いない」と述べ、日本は米国とともに地域の安定を守る「覚悟」が求められると主張した。

 高村氏は安全保障法制の整備に関し、「法案を5月中旬に出す。6月下旬に国会が終わるので、1カ月強、国会を延長する必要がある。なんとかこの法案を通したい」と述べ、今国会を延長して関連法案の成立を目指す意向を示した。