米中間選挙 共和が上院奪回、両院制覇

民心離れ、民主惨敗

オバマ政権の機能不全深刻に

400 【ワシントン早川俊行】オバマ米大統領の6年間の政権運営に対する審判となった米中間選挙は4日、投開票が行われ、野党・共和党が下院で過半数を維持した上で、上院でも多数派の座を奪還するという大勝を収めた。共和党が上下両院を制するのは8年ぶり。与党・民主党の惨敗はオバマ氏にとって大打撃であり、残り任期2年間の政権運営は一段と厳しくなる。

 中間選挙は4年に1度、大統領選の中間の年に実施される国・地方の統一選挙。上院は定数100のうち36議席が、下院は全435議席がそれぞれ改選された。州知事選は36州で行われた。

 今回の中間選挙は、上院の多数派を民主党が死守するのか、共和党が奪還するのかが最大の焦点だった。共和党はアーカンソー、コロラド、アイオワ、ノースカロライナなど7州で民主党の議席を奪取し、現有の45議席から過半数の52議席以上を確実にした。民主党は45議席にとどまっている。

 ルイジアナ州では過半数の票を獲得した候補がいないため、来月決選投票が行われる。決選投票では共和党候補が優勢とされ、同党は上院議席をさらに上積みする可能性が高い。

 一方、下院では共和党が現有の233議席からさらに勢力を伸長した。CNNテレビによると、5日午前7時(日本時間同午後9時)の時点で242議席を固め、同党としては第2次世界大戦後最多の246議席を超える可能性がある。

 民主党は接戦州をことごとく落とすなど、選挙専門家やメディアの事前予想を上回る惨敗で、オバマ政権に対する有権者の不満がいかに強かったかがうかがえる。

 出口調査によると、オバマ氏の支持率は44%にとどまり、不支持率は55%に達した。65%が米国は「誤った道に外れている」と答え、オバマ政権に「不満」または「怒り」を感じる人が60%もいた。

 ただ、共和党に好感を抱く人は42%で、43%の民主党より低かった。共和党が有権者から圧倒的な支持を集めたというより、「反オバマ」票が後押しした側面が強い。

 リベラル色の強いオバマ政権下で激化した党派対立により、来年1月3日に招集される新勢力による議会で、共和党が容易に譲歩するとは考えにくく、米政治の機能不全状態は続くとみられる。オバマ政権が重要課題を手掛けるのは一段と困難になり、レームダック(死に体)化が加速する可能性が高い。