初参加の日本チーム快挙、ブラジル・ジャングルマラソンで初優勝
世界で最も過酷な耐久レース
10月上旬にブラジルで開催された耐久レース「ジャングルマラソン」に日本から初参加した4人組「チームAHO」が見事完走して初優勝するという快挙を成し遂げた。
同レースは10月上旬にブラジルのアマゾン川中流にあるパラー州タパジョス森林国立公園で行われた。今年で10回目になり、世界で最も過酷な耐久レースと言われる。アマゾンを1週間分の食料やハンモックなどを背負い、7日間6ステージの275㌔以上を走り、ゴールを目指す。このレースに今回日本から初出場した女性1人を含む4人チームは、団体として参加。見事に全員が完走し、初優勝した。
同チームは、4月に244㌔のサハラマラソンを完走した川島孝一さん(31)の呼び掛けで集まった。川島さんのほか小泉雅央(31)、山口敦子(34)、谷口たもつ(38)さんの4人で構成。食料など1人約15㌔の荷物を背に、初日の26㌔に挑戦。開始5分で早くも倒れる参加者が出るような危険なジャングルを進んだという。連続するアップダウンの山道を越え、初日は13時間以上を歩き続け、第1ステージでゴールしたのは、午後8時すぎだった。
2日目は最下位でスタートし、道中さまざま困難に直面、それを一つ一つ克服しながら進まねばならなかった。壁に近い坂道を上り、崖をロープを使って下りたり、1㌔の川下りや200㍍の川泳ぎ、ワニが生息する沼地やジャガーの通り道など、足の痛みに耐えながら危険と隣り合わせの道なき道を進んだ。レース最大のヤマ場である100㌔以上のロングステージではそれぞれの内なる葛藤を乗り越え、チーム名の由来通りに助け合って、チーム力で完走した。団体での完走者は同チームだけだった。
過酷なレースを楽しむため、世界的に大ヒットした映画「アバター」の衣装に身を包み、参加者だけでなく、見送る地元の人々にも笑顔をもたらすチームの姿から、どんなに過酷な場面でも決して諦めない姿と勇気、希望をアマゾンのジャングルに残してきたという。チーム呼び掛け人の川島氏は「マラソンだけでなく、それまでに必要な装備や食料をスポンサーを通じて集めたり、グッズ販売で思いを伝えて一緒に感動の共有をしたくて動いてきました」と語っている。
■チームAHOとは
川島孝一氏の呼び掛けに応え、神戸、大阪、埼玉、宮城から集まった30代の男女4人混合チーム。A(明るく)H(他の誰かを)O(応援する僕らの挑戦)をテーマに掲げ「誰かの挑戦が誰かの勇気や幸せにつながる!」を実践し、みんなに一歩を踏み出す勇気を与えようと、今でも活動している。
■レース概要
ブラジルの熱帯林を舞台に42・2㌔、約127㌔、約250㌔の3種目あり、食料やハンモックなどを背負い、幾つもの山や河川、湿地、村を駆け抜ける耐久レース。世界で最も過酷なレースと言われており、今年10月は10回目の記念大会で、世界18カ国から79人が参加。団体は4人以上で参加するが、ほとんどは個人参加。今回、邦人は団体の4人を含む5人が参加し、全員が入賞した。もう一人の邦人参加者は若岡拓也氏で3位入賞。詳しくは「国境なきランナーズ」ホームページ参照。