トランプ氏「米史上最大の屈辱」


バイデン政権を批判

トランプ前米大統領=2020年12月、南部ジョージア州バルドスタ(AFP時事)

トランプ前米大統領

 トランプ前米大統領は21日、アラバマ州で行われた集会で演説し、バイデン政権によるアフガニスタンからの米軍撤退直後にタリバンが首都カブールを占領したことをめぐり、「米国史上最大の外交政策上の屈辱」だと批判した。
 トランプ氏は「これは史上最大の軍事的敗北の一つとして記録されるだろう。このような形で起きるべきではなかった」と指摘。米軍が提供した武器がタリバンに押収されたことなどについても言及し、「これは撤退ではなく、完全な降伏だ」と非難した。

 米メディアによると、米国がアフガンに提供した60万丁の自動小銃や約2000台の装甲車両、40機の航空機などの米軍の武器がタリバンの手に渡った可能性がある。米国は2002年から17年の間にアフガン軍に対し推定で280億㌦の兵器を提供したが、これらの「かなりの数がタリバンの手に渡った」(サリバン米大統領補佐官)とみられる。

 トランプ前政権は昨年2月、タリバンとの合意文書に署名し、タリバンが支配地域でアルカイダなどのテロ活動を阻止することなどを条件に、今年5月までに米軍の完全撤退を約束。その後、バイデン氏は、撤退期限を延期するとともに、無条件とした。

 トランプ氏は自ら結んだ合意が「条件に基づいた合意」だと改めて強調。前政権下で、化学兵器を使用したシリアのアサド政権にミサイル攻撃を行ったことにも触れ、「私が大統領だったなら、タリバンはわれわれの飛行場を占領したり、米国の武器を持って歩き回ったりすることを夢想することさえできなかっただろう」と主張した。

(ワシントン・山崎洋介)