米上下院合同会議 ペンス氏の判断焦点に
選挙人投票結果めぐり
米大統領選の結果を正式に承認する6日の連邦議会の上下院合同会議をめぐり、トランプ大統領は5日、会議の進行役を務めるペンス副大統領に選挙人投票の結果を受け入れないよう求めた。ペンス氏は同会議でどう行動するか明確にしておらず、その対応に焦点が集まっている。
トランプ氏は5日、ツイッターで「副大統領は不正に選ばれた選挙人を拒否する権利がある」と主張した。合同会議における副大統領の役割は通常、会議を取り仕切り、勝者を宣言することに限定されている。だが、トランプ氏とその支持者たちは、選挙人投票の結果を覆すためにペンス氏に行動を起こすよう求めている。
トランプ氏は4日の選挙集会でも「副大統領がわれわれのためにやってくれると期待している。もちろんやってくれなければ、彼のことはそれほど好きではない」と述べ、行動を促した。
ニューヨーク・タイムズ紙は、ペンス氏が5日昼、トランプ氏に対し、自身がバイデン氏を次期大統領として認定するのを阻止する権限があると考えていないと語ったと報じた。これに対しトランプ氏は声明で、「偽ニュース」だとした上で、「副大統領と私は、副大統領が行動する権限を持つという見解で完全に一致している」と強調した。
2024年の大統領選への出馬を目指しているとされるペンス氏は、これまでトランプ氏に忠誠を示してきたが、合同会議で憲法上の役割を逸脱したとみなされれば強い非難を浴びることも避けられず、難しい判断を迫られている。ペンス氏は4日の演説で「私は選挙の不正に関する何百万人もの懸念を共有していることを保証する」と述べたものの、合同会議で具体的にどう行動するかについて明言しなかった。
(ワシントン 山崎洋介)