トランプ大統領 チベット人権法に署名
後継者選定介入で対中制裁も
米国で中国チベット自治区における人権や信教の自由を擁護する「チベット人権法」と台湾への支援を強化する「台湾保証法」が27日成立した。トランプ大統領が同日署名し、成立した。新型コロナウイルス追加経済対策などと一括してまとめられた法律に盛り込まれた。
チベット人権法では、中国がチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の後継者選定に介入した場合、米国が当局に制裁を科すことを許可する。また、中国がチベット自治区ラサに米領事館設置を認めない限り、中国による新たな在米領事館設置を承認しないと規定した。
台湾保証法には、台湾の国際機関への参加を支援することや台湾に定期的に武器を輸出することなどが盛り込まれた。
米議会は今年、中国による香港統制強化やウイグル族弾圧に関しても、中国当局に対し制裁を科す法律を可決しており、党派を超えて中国に対する圧力を強めている。
台湾保証法の成立を受け、台湾外交部は28日、声明で「具体的な行動を通じて台湾と米国の関係を支援した米政府と議会に改めて感謝する」と表明。亡命チベット政府のロブサン・センゲ首相は26日、チベット人権法について「チベット人にとって重要で画期的な法律」だと評価した。
一方、中国外務省の趙立堅副報道局長は28日、二つの法律が中国に対する内政干渉だと主張し、「断固として反対する」と反発した。
(ワシントン 山崎洋介)