米大統領選 各州であす選挙人投票


最高裁 激戦州の結果無効認めず

米連邦最高裁は11日、テキサス州が大統領選の四つの激戦州における投票結果の無効を求めた裁判で、訴えを退ける判断を下した。各州で正副大統領を正式に選出する選挙人投票が14日に迫る中、トランプ大統領にとって打撃となったが、同氏の陣営は今後も法廷闘争を続ける意向を表明。ジョージア州の大統領選が違法だったとして結果の認定の阻止を求め上告したリン・ウッド弁護士による訴訟が同日、連邦最高裁の訴訟事件一覧表に記載された。

 テキサス州は8日に提起した訴訟の中でジョージア、ミシガン、ペンシルべニア、ウィスコンシンの四つの激戦州が新型コロナウイルスの感染拡大を口実に選挙規則を不当に変更したなどと主張。4州がバイデン前副大統領に合計62の選挙人票を投じることを阻止し、州議会が選挙人を選ぶことを命じるよう最高裁に求めていた。

 最高裁は決定で「テキサス州は、他州が選挙を実施した方法について訴訟を起こす法的利益があることを示していない」と指摘し、原告適格がないとの判断理由を示した。

 テキサス州の訴訟には、トランプ氏が支持意見を提出したほか、米メディアによると126人の共和党下院議員と18の他州が支持を表明していた。一方上院では、距離を置く共和党議員も目立った。

 最高裁判事の構成は、9人のうちトランプ氏が指名した3人を含む6人が保守派となっていることから、同氏は判決前にツイッターで「最高裁が賢明さと勇気を示せば、恐らく歴史上最も重要な訴訟で米国人が勝利し、わが国の選挙プロセスは再び尊敬を得られるだろう」と期待を示していた。しかし、判決を受けて「最高裁には本当にがっかりだ。賢明さも勇気もない!」と投稿し、不満を示した。

 米メディアによると、全米50州とワシントンで結果の認定がすでに終了しており、バイデン氏は14日の選挙人投票で当選に必要な270人を上回る306人の選挙人を獲得する見通しとなっている。

 一方、トランプ氏の弁護士を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長は米保守系メディアのニューズマックスに「まだ終わりではない。信じてほしい」と強調し、今後トランプ氏が「他の選択肢を検討する」として、法廷闘争を続ける考えを示した。

(ワシントン 山崎洋介)