バイデン氏 「勝利」に自信


トランプ氏 法廷闘争で長期戦

 米大統領選は6日も開票作業が続き、残る五つの激戦州のうち4州でリードする民主党のバイデン前副大統領(77)は「われわれが勝利する」と自信を示した。一方、共和党のトランプ大統領(74)は、ツイッターで「バイデン氏が大統領を不当に名乗るべきでない」と述べ、法廷闘争の手続きを進める中、バイデン氏が「勝利宣言」しないよう牽制(けんせい)した。

両候補の獲得選挙人

6日、米東部ペンシルベニア州ピッツバーグで、大統領選の集計係員(手前)の作業を確認する監視員(ロイター時事

 バイデン氏は6日夜、地元デラウェア州で演説し、「明白な過半数の支持を受けてわれわれが勝利する」と強調した上で、「最終結果を待つまで仕事に取り掛かるのを待たない」と述べ、政権移行に向けた準備を始める姿勢を示した。

 バイデン氏は、副大統領候補のハリス上院議員ととともに、前日に新型コロナウイルスの感染対策や経済危機対応について専門家から意見を聴取したと明らかにし、「就任初日からウイルスを制御するための計画を実行に移す」と表明した。

6日、米東部ペンシルベニア州ピッツバーグで、6日、米東部ペンシルベニア州ピッツバーグで、大統領選の集計係員(手前)の作業を確認する監視員(ロイター時事)[/caption]

 米メディアによると、トランプ氏が214人の選挙人を獲得したのに対し、バイデン氏は253人で、当選に必要な過半数(270人)の選挙人獲得が目前に迫っている。

 バイデン氏は南部アリゾナ(選挙人11人)、同ネバダ州(同6人)でリードを維持しており、この2州を確保すれば、過半数に達する。また、東部ペンシルベニア州(選挙20人)や南部ジョージア州では、トランプ氏を逆転し、リードを奪った。

 一方、トランプ氏は声明で「これはもはや今回の選挙に限った問題ではない。選挙制度全体の健全性に関する問題だ」と主張。郵便投票をめぐり不正の疑いも指摘される中、「米国民の政府に対する信頼を保証するため、あらゆる法的手段を通して、この問題を追及する。私は米国のために戦うことを決して諦めない」と強調し、法廷闘争をめぐり長期戦を辞さない考えを示した。

(ワシントン 山崎洋介)