トランプ政権 中国33団体・企業に禁輸制裁


ウイグル弾圧、兵器調達関与

 米商務省は22日、ウイグル族弾圧などに関与したとして中国の33の企業と団体への輸出を原則禁止にすると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐって中国との対立が強まる中、トランプ政権は人権問題でも対中圧力を強めている。

 商務省は「中国による抑圧、恣意(しい)的な大量拘束、強制労働、ウイグル族などに対するハイテク技術を用いた監視による人権侵害や虐待に加担した」として、米国企業からの製品輸出を事実上禁じる海外企業リストに計9企業と団体を追加。中国公安省系の法医学研究所やIT企業、衣料品メーカーなどが対象になった。

 商務省は昨年10月にもウイグル族に対する大規模監視などの弾圧に関わったとして、中国の監視カメラ大手ハイクビジョンなど28の団体と企業を禁輸措置の対象としていた。

 商務省はまた中国軍が使用する兵器調達に関与したとして、24の企業と団体も禁輸リストに追加した。リストには、中国の有力な人工知能(AI)企業、東方網力科技やソフトバンクグループが支援するAI企業のクラウドマインズ、ITセキュリティー大手の奇虎360(チーフーサンロクマル)などが含まれた。

 商務省による制裁は、中国が香港に適用する新たな「国家安全法」の審議を始めた直後に発表されたことから、香港に対する統制強化を牽制(けんせい)する狙いもあったとみられる。

(ワシントン山崎洋介)