トランプ氏 トルコ大統領と会談、露製兵器購入に懸念表明


29日、大阪市内で会談に臨むトルコのエルドアン大統領(左)とトランプ米大統領(AFP時事)

29日、大阪市内で会談に臨むトルコのエルドアン大統領(左)とトランプ米大統領(AFP時事)

 トランプ米大統領は29日、大阪市内でトルコのエルドアン大統領と会談し、ホワイトハウスによると、トルコがロシア製の地対空ミサイルシステムS400購入を決めたことに懸念を表明した。北大西洋条約機構(NATO)の同盟関係強化に資する連携を求めた。

 ただ、S400購入に対して制裁も辞さない構えの米国に対し、トルコは購入見直しには応じない意向を示している。エルドアン氏は、トランプ氏との「良好な関係」をてこに事態収拾を図りたい考え。トランプ氏は会談冒頭、エルドアン氏を「私の友人」と呼び、融和的な姿勢を見せたが、トルコに制裁を科すかどうかの言及は避けた。

 これに先立ち、エルドアン氏はロシアのプーチン大統領とも会談し、タス通信によれば、S400購入の「プロセスにいかなる延期もない」と説明。「われわれにとっての優先事項は、技術の移転を含めたミサイルの共同生産だ」と述べた。

 S400は7月前半にもトルコに到着する予定。米国は既に最新鋭ステルス戦闘機F35の共同開発プログラムへの参加を認めない措置を取ると警告している。トルコが実際に調達すれば関係悪化は必至だ。