聖地巡礼で717人圧死


メッカ近郊、石投げ儀式中

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23日、サウジアラビアのメッカ近郊のモスク(イスラム礼拝所)で祈りをささげる巡礼者(AFP=時事)

 【カイロ鈴木眞吉】サウジアラビアのイスラム教聖地メッカ近郊の「ミナの谷」で24日、大巡礼(ハッジ)に参加していたイスラム教徒の群衆が将棋倒しとなり、アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ局アルアラビアによると、少なくとも717人が死亡、863人が負傷した。

 当日は、巡礼者らが悪魔に見立てた石柱に石を投げる宗教儀式が行われており、一部の信徒らが、サウジ当局が指定した順路を守らずに脇道から殺到したことが、大量圧死につながったとみられる。

 事故の全容はまだ把握されておらず、犠牲者数はさらに拡大する恐れもある。

 同様の事故は2004年2月と06年1月にも発生、おのおの244人と345人が死亡。今年9月11日にも、メッカのカーバ神殿を囲む「大モスク(イスラム礼拝所)」の工事中に、高さ200㍍以上、重量数百㌧のクレーンが倒壊、107人が死亡、238人が負傷していた。

 イスラム教の守護者を自任するサウジアラビア政府だが、その管理責任が問われている。