光州事件で国論分裂、北朝鮮は介入したか
韓国紙セゲイルボ
1980年の光州事件(5・18)をめぐりまたもや国論が分裂している。理性的な議論と沈着な検証はなくなり、感情的な主張と脅迫、暴力が乱舞する。成熟できない韓国社会の素顔そのままだ。
昨年、与野党は5・18真相究明法で合意した。「光州事件に関連して歪曲(わいきょく)されたり隠蔽(いんぺい)された真実を糾明することによって国民統合に寄与」することが目的だ。細部条項の中には「最初の発砲者および戒厳軍のヘリコプター射撃経緯」の糾明と共に、「北朝鮮軍介入の有無」等、これまで提起された疑問があまねく含まれている。
システム工学者・池マンウォン博士の「光州市民軍に偽装した北朝鮮特殊軍」シリーズは誤りが目立つ。名指しされた当事者らの否認と反発もある。
だが、北朝鮮が毎年行う5・18記念行事の最前列で勲章を胸に下げて座っている5・18英雄に対して疑問を感じるのは事実だ。教科書でも光州事件を「主体の旗印により南朝鮮愛国人民が呼応して起こした最も成功した人民革命事件」と記述している。南派スパイ・キム・ドンシクによれば、北朝鮮が光州事件を対南赤化の重要な資産として扱ってきたのは明らかだ。
北朝鮮の対南秘密工作の公文書が公開される前には「完全で検証可能で不可逆的な真実糾明」は事実上不可能だ。その時まで最終結論は保留して、中立的な調査と新しい主張を検証する社会的な常設機構を提案したい。
(趙貞鎮論説委員兼統一研究委員、2月14日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。