妙案なき観光振興策行事より人に力点を
東京五輪を2年後に控えた2018年、訪日外国人観光客が初めて3000万人を超えた。安倍晋三首相が12年に再び政権に就いて目標に据えた「20年に4000万人達成」はもはや単なる“レトリック”ではない。
12年に韓国は初めて外国人観光客が1000万人を超えた。日本より1年早かった。その後3年ほど日本を上回ったが、中東呼吸器症候群(マース)の流行や高高度防衛ミサイル(サード)配備の余波などで逆転した。18年は日本の半分1500万人にすぎないものとみられる。なのに観光政策を主導する部處(省庁)には切迫感がない。サードの余波で中国人観光客が減ったので仕方がない等々の言い訳ばかりだ。
日本は安倍首相が随時、観光戦略会議を直接主宰するなど政府全体で取り組み、観光大国に成長した。半面、文在寅政府の観光産業の政策順位は大きく劣る。政府が発足して以来、大統領はおろか総理主宰の観光戦略会議ですら2度しか開かれなかった。
この間、全国の地方自治体はレールバイク、ジップライン、つり橋、ロープウエーなど、同じような施設を地域を代表する観光商品として先を争って設置している。単発のイベントとアクティビティー、フェスティバルなどで外国人を引き寄せるのは限界がある。問題は政策立案者も妙案がないことだ。
こういう時は基本から見直すべきではないか。日本旅行で最初に目につくのがサービスの違いだ。食べ物の味、製品の品質の他にも職員サービス、衛生状態などの満足度が非常に高い。日本旅行で体感するサービスの違いを、これまでは民族性のために真似するのは難しいと考えてきた。食堂の親切さや衛生状態から始まって、まず国民の信頼を得てこそ外国人の満足度も高まるはずだ。観光の満足度の基本はイベントでなく結局は「人」だ。その基本から固めていくべきではないだろうか。
(イ・クィジョン文化体育部次長、12月28日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。