信頼回復の努力が全く見られない韓国国会


韓国紙セゲイルボ

 韓国国会が国民の信頼を失ってから久しい。深刻なのは失った信頼を回復しようとする努力がまったく見られないことだ。

 国会は与野党の対立で2週間以上、開店休業だった。民生と直結する法案を一つも処理できなかった。予算を通過させても関連法が成立しなければ一銭も使うことができないのに、与党からして国会運営を妨げていた。

 ようやく国会を正常化させたと思ったら、天安艦爆沈の主犯という金英哲(キムヨンチョル)の訪韓をめぐって国会は為(な)す術(すべ)もなかった。多くの国民は平昌五輪閉会式に金英哲が参加する理由に納得がいかない。子供を殺した犯人が平和の祭典に参加するのを容認できないという親の心にも深く共感できる。

 金英哲を閉会式に出席させる金正恩(キムジョンウン)の意図を明らかに知りながら、これを断ることができない韓国政府にも腹が立つ。

 対北をめぐってソウルとワシントンの雰囲気が緊張をはらんでおり、韓米同盟の未来まで心配する人が増えている。その上、輸出も洗濯機に続き鉄鋼製品、太陽光パネルなどに高率関税を課すというトランプ政府の保護貿易主義で大きい打撃が予想される。

 このような国家的危機に代案を提示して国民に希望を与えなければならない政界が国会を空転させている。与野党の共同責任だ。与野を問わず政党と政治家は自身のための政治でなく国民のための政治をしなければならない。政治は正しい道を行うこと(政者正也)だからだ。

(洪性傑(ホンソンゴル)国民大教授、2月26日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。