米ペアにだけ拍手送らず、フィギュアで北応援団
ジャンプ着氷失敗に失笑も
韓国・平昌冬季五輪で訪韓中の北朝鮮応援団は15日、フィギュアスケートペアのフリースタイルに出場した北朝鮮のリョム・テオク、キム・ジュシク組を応援した際、他国ペアにも拍手を惜しまなかったが、唯一、米国ペアには最後まで誰一人拍手を送らず、拍手の有無を統制するかのように際立った態度の違いを見せた。
北応援団のメンバー100人余りはこの日、試合開始30分前に競技場の江陵アイスアリーナに姿を現し、お揃(そろ)いのユニフォームを着てスタンドの一角に陣取った。北朝鮮ペアは6番目の出場だったが、その前後に演技したカナダ、チェコ、ドイツ、イタリア、ロシア出身の各ペアに対し演技の途中で何度も拍手を送ったが、米国ペアの演技中には一切、拍手しなかった。
また会場モニターに米国ペアが回転ジャンプの着氷に失敗するリプレーが映し出されると、失笑して互いの顔を見合うメンバーが何人もいた。
北朝鮮ペアは前日のショートプログラムとの合計でメダルにはるか及ばす13位。米国ペアは15位に終わった。試合後、キム選手は「審判員たちが(私たちの演技を)気に入らなかったようだ」と悔しさをにじませた。
北応援団が自国や南北合同チームなどには熱烈な応援を繰り広げる一方、米国には露骨に冷たい態度を取る姿が浮き彫りになった。メンバーたちは事前教育を受けて訪韓したとみられており、反米意識の徹底もその中に含まれていることをうかがわせる。
(江陵(韓国北東部)上田勇実)