ノーベル賞、今年も指をくわえて見ているだけか


韓国紙セゲイルボ

 今年最初のノーベル賞が日本の科学者に決まった。スウェーデンのノーベル委員会は4日、医学生理学賞の受賞者に、細胞の自己捕食を発見した大隅良典・東京工業大学栄誉教授を選定したと発表した。これで日本は3年連続ノーベル賞を受賞する快挙を成し遂げた。

 ノーベル賞は医学生理学賞を皮切りに13日まで6部門の受賞者が発表される。ノーベル賞シーズンとなったが、韓国は同賞116年の歴史でほとんど縁がなかった。2000年に金大中元大統領が非科学分野の平和賞を受けただけだ。日本は21世紀だけでも17人の科学者が14分野で受賞している。科学分野でみれば、韓国対日本の成績表は0対22だ。

 韓国は今年もノーベル賞祝祭をただ見守るほかはない。基礎科学があまりにも不十分で、候補リストで議論すらされないためだ。最も関心を引く物理学賞で重力波観測に成功した米国科学者などが有力候補として名前が挙がる。化学賞でもアジア圏の教授が候補リストに登場するが、韓国科学者の名前はない。

 韓国が科学分野で受賞者をただの1人も出すことができないのは、基礎科学を冷遇する社会環境が大きい。企業も産業現場で直ちに使える半導体、通信分野にだけに関心があって、長期投資が必要な基礎科学には目もくれない。研究者間に討論がなく、詰め込み式研究文化が相変わらず横行している。最近、韓国研究財団が分析した基礎医学の実状は、韓国科学界の素顔をそのまま見せる。論文被引用回数と発表件数を分析した結果、国内医大は世界順位で300位圏外に押し出された。最上位の秀才である医大生さえ、金になる整形外科などを好み、見返りの少ない基礎医療分野を避けているからだ。

 いつまで他人の受賞の便りをただ羨(うらや)ましく眺めていなければならないのだろうか。ノーベル賞受賞のような科学的成就は研究者が一つの井戸を掘り続けることができてこそ可能だ。「速く速く」という研究文化が広まって、金儲(もう)けできるところに人材が集まる環境では、ノーベル賞は夢のまた夢だ。世界科学界の辺境から脱出しようとするなら、研究風土全般を改革する対策をたてなければならない。何よりも基礎科学に身を投じた科学者を優待し尊敬する社会の雰囲気が必要だ。科学者らを冷遇する風土ではノーベル賞という夢の木は育たない。

(10月5日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。