グーグル・セーフサーチ騒動と強制検閲の現実性


韓国紙セゲイルボ

 先週末、デジタル世界では「グーグル・セーフサーチ強制適用」という言葉で時ならぬ騒動が広がった。同機能はグーグルが不適切な画像などを強制的にブロックできる機能で、通常、利用者が設定・解除することができる。

 ところが、11日のある瞬間から全世界のグーグルの中で、韓国サイトだけでセーフサーチ解除が不可能な強制設定状態になった。なんの事前予告もなしに、なぜこうしたことが起こったのかの理由をめぐって解釈が入り乱れ波紋は広がった。

 「韓国政府が要請したのではないか」という疑惑が各インターネット掲示板に溢(あふ)れたものの、「グーグルの誤り」と分かり、政府は冤罪を晴らすことになったが、後味は悪い。それはポータル強制検閲が誤りでなく実際状況になりうるからだ。

 グーグルは2009年、中国で政府の強力な検閲要求に屈し、すべての検索結果からポルノ関連物を除いたことがある。05年グーグルチャイナ設立で始まった中国進出の歴史は検閲をめぐる中国とグーグルの絶え間ない綱引きであった。10年に結局中国から全面撤収したが、来年にまた中国政府の検閲要求を受け入れて、再進出すると発表された。途方もない規模に成長した中国市場を無視しえなかったのだ。

 最近、韓国史教科書の国定化やゲーム検閲、深夜ゲームシャットダウン施行など国民を検閲したり統制しようとする韓国政府の姿勢は中国に劣らない。いつでも政府が検索ポータルに検閲を要求してポータルはこれを受け入れることが「絶対広がらないだろう」とは言い切れなくなっている。

(朴ソンジュン産業部次長、12月19日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。