繰り返される漢字ハングル併記論争


韓国紙セゲイルボ

表音だけでは意味不明確

 教育部で小学校教科書に漢字を併記する問題を議論する公聴会が開かれ、再びハングル・漢字論争が起きる様相だ。

 水原市の観光案内パンフレットにハングルだけの案内文がある。

 「華城(ファソン)の角楼(カクルー)は4カ所があって、東北の角楼は城の東北要塞地に位置している。また訪花隨柳亭(バンファスリュウジョン)としてよく知られている東北角楼は建築美が派手ながらも優雅であり、華城の美しさの頂点である。訪花隨柳亭から眺める龍淵(ヨンヨン)の上に映った月の光と交わった柳の枝は龍池待月(ヨンヂデウォル)といって、水原八景の中で最上である」(注・全文ハングルのみ表記されている)

 華城が星の名前(火星(ファソン)と同じ音)とどのように違うのかは知らない。角楼は何か、訪花(バンファ)隨柳亭(スリュウジョン)はひょっとして防火(バンファ)施設や手榴弾(スリュウタン)投下地ではないのか混乱する。龍淵(ヨン)は防牌鳶(バンペヨン)(凧)とどう違う何の「ヨン」なのか。

 水原八景の中で最上という龍池(ヨンヂ)待月はどこに使われる用紙(ヨンヂ)あるいは書式をいうことなのか分からない。

 これに漢字を併記すれば、「角楼」「訪花随柳亭」「龍淵」が何だか分かるだろう。訪花随柳亭というのは亭子が曲がり角にある楼閣で、美しい花と柳が多い所であり、その花と柳が月夜に龍の池に映るのが、華城の一番美しい景色で、故にこの城を作らせた正祖(ジョンジョ)大王が華城、すなわち花のように美しい城と名付けた、ということが簡単に理解される。

 光復(植民地からの解放)後、初めて「ハングルの日」を制定した当時、新聞や教科書、公文書などは漢字中心だったが、今はハングルになっており、ハングル専用は成功したといえる。

 だから漢字がなくても意味が通じるのに、なぜ難しい漢字を幼い時から教えるのかとの批判が出る所以だ。

 併記は音しか表さないハングルだけでは、単語や言葉の概念が不明確になり、混同する。なのでその根元である漢字を習い、正確な言語を使おうということだ。

 漢字専用にしようというのではない。2000年近くわれわれの考えと意味の根元になっていた漢字を排除することはできない。

(李東植(イドンシク)言論人・歴史著述家、10月13日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。