帰化筆記試験の復活?


韓国紙セゲイルボ

米の言語サービスに学べ

 米国女子プロゴルフ協会(LPGA)が選手たちの「英語使用義務化」を試みて諦めたことがある。「選手たちの効果的な疎通」を言い訳に、一定の英語水準を充足できない選手は試合出場を停止させる規定を新しく作るということであったが、「差別政策だ」との非難が沸き立った。

 特に、同計画は当時LPGAで活躍する外国人選手の半分ほどを占めていた韓国人選手を狙ったものという疑惑を受けた。アジア系人口が多いカリフォルニア州政府と議会までが、「言語能力や出身国家に基づいた機会制限は不公平で非合理的であり、不法な措置」と非難するほどであった。韓国でも大騒ぎが広がった。

 米国が世界各国から来る移民のために展開する各種サービス政策は、米国がなぜ「移民の国」なのかをよく見せている。特に米全域でなされている言語サービスは見習うに値する。

 世界から集まった移住で混み合うニューヨーク地域の図書館は本、DVD、CDを韓国語をはじめとする60余りの言語に翻訳して、サービスしているほどだ。礼拝を行う時も時間帯別で英語でない外国語で通訳サービスをする教会が少なくない。

 米国では運転免許の筆記試験を韓国語で受けられる所も何カ所かある。最近ではインディアナ州が英語だけだった筆記試験を韓国語を含む11の外国語で受けられるようにした。

 一方、韓国では、法務部が結婚移民者に限り免除していた帰化筆記試験を復活させる案を検討しているという。結婚移民者の韓国語駆使能力が落ちて、正常な社会生活ができず、子供の養育にも問題が発生して、社会問題化する恐れがあるからということだ。

 実際、移民が韓国語が不自由で、日常生活で体験する困難は想像以上に大きい。韓国語教室プログラムもかなり多いが、韓国に住みながら、韓国語ができない人が大多数だ。韓国人より上手(うま)い韓国語を駆使して、テレビ番組を牛耳る外国人はごく少数なのだ。

 滞留外国人200万人、多文化家庭(国際結婚家庭)30万時代だ。その子弟1000人が徴兵に行っている。彼らのためのより積極的な配慮が必要だ。

 今や韓国語教室、外国語相談電話コールセンター以上の多様な外国語サービスを拡大する時になった。地方税告知書を彼らの母国語に翻訳して送る地方自治体が増加している。韓国語をよく分からなくとも、それほど不便でなく生活できる社会づくりである。

(金起弘〈キムギホン〉首席論説委員、2月23日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。