再会申請の離散家族45%死亡
韓国紙セゲイルボ
政治に翻弄され度々中断
南北離散家族統合システムによれば、北朝鮮にいる家族との再会を申請した韓国側の離散家族は約12万9000人。この中、既に申請者の45%の約5万7700人が亡くなり、生存者はわずか約7万1000人だ。その中でも70歳以上が80%を超える。
毎年、旧正月と旧盆の2度、離散家族再会が行われると仮定しても、南側の全員が再会を果たすには数十年かかることになる。今年の旧盆のように中止になるなら、離散家族再会は夢でやるしかない。
離散家族再会の歴史は69年分断の歴史であり、痛みの歴史だ。その間、再会が行われたのは19回。1度に200人程度が家族と再会した。これさえも李明博(イミョンバク)政府の時の2008年金剛山韓国人観光客銃撃事件と09年天安艦爆沈などの影響でしばらく途切れた。昨年9月に19回再会が予定されたが、北側の一方的取り消しで中止となり、2月の旧正月を契機に1度行われた。
離散家族は騙(だま)され振り回され続けている。それでも名節が近づくと、「今回はもしやと思いながら」と期待する。背景には再会が政治的問題ではなく、人道的な問題であるためだ。再会は北朝鮮の態度如何(いかん)により、いつでも行える問題だが、それでも北朝鮮が誠意ある態度を見せることは珍しい。
朴槿恵(パククネ)政府スタート時は期待値が高まった。統一に対する一般人の関心も歴代政府の時と比較して、はるかに高まった。それもそのはず、朴槿恵大統領は1月の新年記者会見、3月訪独中の「統一大当たり」と「ドレスデン構想」を打ち出した。大統領の提案に北朝鮮は簡単に呼応するだろうと期待した。離散家族再会の定例化も時間の問題と感じた。
韓国政府は半月先に迫った仁川アジア競技大会への北朝鮮応援団派遣で、南北関係が和解ムードにつながれば、第2回南北高位級接触で離散家族再会など人道的な問題を段階的に解決していった後、金剛山観光再開、5・24措置問題などを北側と具体的に協議するというシナリオを用意していた。
もちろん韓国政府のシナリオには北朝鮮の態度改善という前提がある。逆に北朝鮮の呼応がなければ何もすることがないという話だ。
韓国政府は昨年12月、北朝鮮権力ナンバー2の張成沢(チャンソンテク)が死亡した後、急変の可能性を既定事実化した。対北朝鮮消息筋によれば、金正恩(キムジョンウン)体制は韓国側の予測とは違って一層強固になった。今としては北朝鮮急変事態の兆候を探すことは大変だ。
それなら南北関係解決法は何か? 根本的な問題から一つずつ解いていかなければならない。統一はある日突然訪ねてくるのではない。詰まって身動きが取れない南北関係は離散家族再会に突破口を見いだすべきだ。
(オク・ヨンデ論説委員、9月4日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。