トイレ無料開放
地球だより
ベトナム北中部のフエは、日本の京都に匹敵する古都。その歴史と風光明媚(めいび)な自然を受け皿に、観光都市として名高い。
その観光に弾みをつけるため省政府が打ち出したのが、フエの中心街の公的機関やホテル、カフェなどで観光客の利便性向上を目的として、トイレを無料で開放するサービスを始めた。
同サービスの目印は、「トイレ無料」のロゴシール。このロゴシールの貼られた公的機関やホテル、カフェなどでは、無料でトイレを利用することができる。
トイレを無料で開放している公的機関は、フエ省の計画投資局や文化局、フエ市人民委員会の3機関。現在は合計約50団体がトイレを無料で開放しているが、旗振り役の省政府とすればさらに増やしたい意向だ。なおトイレの無料開放に掛かる費用は各団体持ちだが、ロゴシールのコストに関しては同局が援助する。
旅行者にとってトイレは結構、深刻な問題だ。とりわけ女性の場合、ちょっと失敬して立ちションというわけにはいかない。こうしたトイレから観光振興を考えるというのは、官僚の上から目線ではなく、庶民的視線が感じられる。
(T)