タイのインラック首相失職、深まる政治的混迷


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「赤と黄」に見る「利と理」の溝

 タイ憲法裁判所による7日の違憲判決で、反政府デモの辞職圧力に最後まで抵抗してきたインラック首相がついに失職した。これで赤シャツ軍団に象徴されるタクシン元首相派と黄シャツデモ隊に象徴される反タクシン派との間の、国家を二分する対立が一層先鋭化するのは必至の情勢だ。ただ、「赤と黄」の間に横たわる溝は「利と理」の深い溝でもある。(池永達夫)

 憲法裁判決では公職追放を免れたタクシン元首相の妹インラック氏だが、ほかにも国家汚職追放委員会が、コメの買い上げ制度をめぐり告発を検討しており、その政治生命は危機的状況にある。


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