ウイグルなど活動家が集会
人権・民族問題で習氏に圧力
主要20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)参加のため来日した中国の習近平国家主席に対し、ウイグル、内モンゴル、チベットなどの人権・民族活動団体の代表者らが28日午後、大阪市内で記者会見を開き、中国当局の少数民族政策による人権侵害の現状と早期解決を訴えた。
自由インド太平洋連盟会長のラビア・カーディル氏は、約300万人のウイグル人が中国当局に拘束されている実態を「祖国はもぬけの殻になった」と紹介。前日夕の日中首脳会談で安倍晋三首相が中国内の人権問題に触れたことへの感謝を述べ、29日に予定されている米中首脳会談についても「人権問題が中心的に協議され、世界の沈黙が破られるきっかけになると信じている」と期待感を示した。
世界南モンゴル会議会長のショブチョード・テムチルト氏は「このままではわれわれの文化や言語が消えてしまう。多くの国々が集まるこの期間に抗議の声を上げ、日本はじめ多くの国々と協力したい」と訴えた。
香港独立を主張し活動禁止を迫られた香港民族党元代表の陳浩天氏は「香港政府は中国共産党の非人道的行為の共犯者に成り下がっている」と批判し、「香港は米国の経済制裁の抜け道になっている。香港に対しても制裁を求める」とした。香港からは五つの大学の学生らも参加した。
同日夜、近鉄難波駅前で行われた街頭集会では、警察官や通行人らが見守る中、活動家ら約100人が陳氏の「Free Hong Kong!」(香港に自由を!)の掛け声に呼応し、それぞれの民族の解放を叫んだ。
29日には市内の会館で集会を行った後、市内のデモも予定されている。
(辻本奈緒子)