検察側が吉川貴盛被告に懲役2年6月を求刑
元農林水産相で元衆院議員の鶏卵汚職、東京地裁で公判
鶏卵業者から500万円を受け取ったとして、収賄罪に問われた元農林水産相で元衆院議員の吉川貴盛被告(71)の公判が23日、東京地裁(向井香津子裁判長)であった。検察側は「大臣の権限を背景に業者と癒着し、私腹を肥やした」として被告に懲役2年6月、追徴金500万円を求刑した。
弁護側は改めて無罪を主張し、結審した。判決は5月26日。
吉川被告は最終意見陳述で、「公正な判断をお願いしたい。現金を受け取り、法律にのっとって処理しなかったのは最大の不徳の致すところだ」と述べた。
検察側は論告で、鶏飼育の国際基準案への反対などの目的で現金を渡したとする鶏卵大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の秋田善祺元代表(88)=贈賄罪などで有罪確定=の証言は信用できるとした。
その上で、トイレ付近まで追い掛け現金入り封筒を渡すなどした手法は「寄付の形態として明らかに異常」と指摘。吉川被告は受領後、基準案について業者や国会議員も交えた三者協議開催を指示しており、賄賂の趣旨を認識していたと述べた。
弁護側は最終弁論で、被告は大臣就任前後も秋田元代表から現金を受領していたと強調。在任中の500万円が賄賂との認識はなく、有利な取り計らいをしたこともなかったとした。