公示地価が2年ぶりに上昇、コロナの影響が緩和
国交省が発表、全用途の全国平均は前年比0.6%の上昇
国土交通省は22日、2022年の公示地価(1月1日時点)を公表した。全用途の全国平均は前年比0・6%の上昇で、2年ぶりにプラスに転じた。昨年顕著だった新型コロナウイルス感染拡大の影響が一定程度緩和され、回復傾向が見られた。同省担当者は「コロナ前の水準には戻り切っていないが、徐々に持ち直しつつある」としている。観光地や繁華街では下落が続く地域もあった。
住宅地は0・5%のプラスで2年ぶりに上昇。超低金利や住宅取得支援策などの効果もあり、交通利便性などに優れた地域のニーズが高い。商業地も0・4%プラスと、2年ぶりに上がった。工業地は、インターネット通販の利用拡大に伴う大型物流施設の整備が進み、2・0%上昇した。
圏域別に見ると、三大都市圏は全用途平均で0・7%のプラスと2年ぶりに上昇。地方主要4市(札幌、仙台、広島、福岡)は全用途平均、住宅地ともに5・8%、商業地が5・7%と上昇傾向が続く。4市以外の地方圏は2年連続で下落したが、全用途平均、住宅地ともに0・1%(前年0・6%)、商業地が0・5%(同0・9%)とマイナス幅は縮小した。
大阪圏の商業地は横ばいに転じたが、インバウンド(訪日外国人旅行者)需要への依存度が大きく、他の都市圏より回復基調が弱い。東京都23区全体では、住宅地は1・5%、商業地は0・7%上昇。ただ千代田、中央、港の都心3区は飲食、観光需要の減少や、オフィス需要の先行きが不透明なことなどが影響し、マイナスとなった。
上昇率トップは住宅地、商業地ともに、プロ野球日本ハムファイターズの新球場が23年に開業する北海道北広島市の地点。地価が最も高かったのは、住宅地が5年連続で「東京都港区赤坂1-14-11」で、1平方メートル当たり500万円(前年484万円)。商業地は16年連続で東京都中央区銀座の山野楽器銀座本店で、同5300万円(同5360万円)だった。