全英バドミントン、山口茜選手が初制覇
女子シングルス、冷静さが光り完勝、「チャンスを物に」
山口が、112回の伝統を誇る全英オープンの歴史に名を刻んだ。最後は相手の逆を突くクロスのショットを決め、見事なストレート勝ち。「数あるトーナメントの中でも、他とは違う特別感がある。チャンスをしっかり物にできてうれしい」。厳しかった表情が変わり、笑顔が広がった。
安洗塋とは昨年何度も対戦し、手の内を知った者同士。勝敗を分けたのは冷静さだった。山口は第1ゲームから、相手の体勢を崩す巧みな配球で危なげなかった。第2ゲームはクロスのショットにてこずる場面はあったものの、粘って流れを引き戻し、中盤に6連続得点。相手の好ショットも拾って心を折った。
メダルが期待された昨夏の東京五輪は8強止まり。結果を意識し過ぎて、自分のプレーができなかった。その後の世界選手権では持ち味を取り戻して初の女王に。「勝敗よりもいいプレーをしようと思ったらできた」。その成功体験が、全英でも生きた。
決勝で敗れた4年前からの成長も示し、「きょうの100%は出せた」。きっぱりとそう言えるプレーだった。(ロンドン時事)