地球の「トロヤ群」、2個目の小惑星を発見
国際チームが発表、直径1km、将来は有人基地の建設も
太陽系の惑星に前後して同じ公転軌道を回っている「トロヤ群」と呼ばれるタイプの小惑星について、地球の軌道では2個目が発見された。スペインのアリカンテ大などの国際研究チームが8日までに英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。
2011年に発見された1個目の推定直径が約300メートルであるのに対し、2個目は約1キロと大きい。探査機や宇宙船を送りやすい位置にあり、遠い将来は観測所や有人基地の建設が期待されるという。
太陽を中心とする公転軌道を360度の円で示すと、トロヤ群の小惑星は惑星より60度、前方か後方に位置する。太陽と惑星、小惑星が正三角形を成し、重力のバランスが取れて安定する。木星の前後に多数あり、火星や金星など他の惑星でも見つかっていたが、地球では11年まで確認できなかった。
1個目の小惑星「2010TK7」、2個目の「2020XL5」とも、地球より60度、前方に位置する。これらは遠くの軌道から移って来たと考えられるが、トロヤ群の位置に地球が形成された頃から残っている小惑星があれば、当時の様子を知る手掛かりになるとみられる。