総務省消防庁、学校での防災教育を後押しへ


消防団員による授業、担い手育成へPR、財政支援も

総務省消防庁、学校での防災教育を後押しへ

小学校で授業する消防団員=2020年12月、松江市(総務省消防庁提供)

 総務省消防庁は、消防団員が小中学校などに出向いて行う防災教育を後押しする。災害に関する授業や避難訓練を通じて、防災意識の向上につなげる。団員数が減少する中、将来の担い手育成に向けて消防団をPRする狙いもある。2022年度に実施するモデル事業の一環として、財政支援をする方針だ。

 消防団員による授業は、消防機関と学校が相談した上で、河川氾濫や津波といった地域の災害リスクに応じた内容にすることを想定。また、日ごろの活動を紹介し、消防団を知ってもらうきっかけをつくる。消防車両の見学や避難訓練、避難所運営の体験学習なども実施できる。

 消防庁は22年度、消防団の活性化に関する先進的な取り組みを募集し、モデル事業として展開する予定。各都道府県の最低1カ所以上で実施し、それぞれ200万円を上限に助成する。防災教育はその枠組みの中で支援するもので、町内会や自治会単位で構成する自主防災組織が行う場合も対象とする。

 政府は、児童生徒を災害などから守るための「第3次学校安全推進計画」に防災教育を位置付ける方針。地域に密着した消防団活動と学校教育の連携や、団員らによる取り組みの推進といった内容を盛り込み、3月中の策定を目指している。こうした動きを受け消防庁は21年12月に自治体へ通知を出し、防災教育の実施を呼び掛けている。