北野天満宮のご神木「飛梅」、組織培養で開花
世界初、住友林業と記者会見「梅の保護、保全に一筋の光」
梅の名所として知られる北野天満宮(京都市上京区)は4日、住友林業と記者会見し、ご神木の「飛梅(とびうめ)」を組織培養で増殖させた苗木が開花したと発表した。住友林業によると、組織培養技術で生まれた梅の開花を確認したのは世界初という。
梅の寿命は200年ほどとされるが、飛梅は江戸時代に接ぎ木をされ、樹齢350年以上と推定されている。花の色が年々薄くなるなど衰えが見られたため、2009年に研究を開始。15年に培養液での増殖に成功し、その後苗木を境内に植えていた。
4日には濃いピンク色の1輪が開花。高さ約3メートルの枝には、他にも複数のつぼみが付いていた。北野天満宮は「ご神木は信仰の木で、その種を後世に守り継いでいきたかった」とコメント。住友林業の担当者は「梅の保護、保全に一筋の光が見えた」と話した。