コロナワクチンの小児接種、一部自治体で開始


5~11歳向け接種が始まる、来月から本格化する見通し

コロナワクチンの小児接種、一部自治体で開始

診療所で新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける女児(左)=26日午後、東京都足立区

 新型コロナウイルスワクチンの5~11歳向け接種が、26日から一部自治体で始まった。対象となる小児は700万~800万人ほどで、有効成分量は12歳以上の3分の1。ワクチンは21日の週から全国に順次配送されており、接種は3月以降に本格化する見通しだ。

 ワクチンは米ファイザー社製を使用し、自治体判断で基礎疾患があるなど重症化リスクの高い子供が優先される。12歳以上と同様に3週間間隔で2回投与する。オミクロン株流行前の臨床試験(治験)では、2回目接種後7日以降の発症予防効果は90・7%だった。

 厚生労働省は省令などを改正し、公費で無料になる「臨時接種」に位置付けた。ただ現時点では、予防接種法に基づく接種の努力義務は保護者に課さず、引き続き議論するとした。同調圧力を生じさせないよう、学校での集団接種は推奨していない。

 オミクロン株による感染急拡大で、小児の感染者は急増している。厚労省によると、2月1~21日の全国の新規感染者数のうち、小児など未成年の割合は29・6%とどの年代よりも高かった。

 小児接種が始まった東京都足立区の千住中央診療所には26日午後、8~11歳の児童3人が来訪。保護者が見守る中、落ち着いた様子で接種を済ませた。小学5年の高津瑚夏さん(11)は「自分が感染を広めないよう、打てて良かった」と話し、父の好明さん(45)は「安心しました」と語った。