「プーチンを止めて」「最大限の制裁を」


渋谷駅前でロシアに抗議、在日ウクライナ人が悲痛の訴え

野球五輪代表が決定、田中将・鈴木誠らが選出

在日ウクライナ人らが開いた集会でロシアに抗議する人たち=26日午後、JR渋谷駅前

 ロシア軍のウクライナ侵攻から3日目を迎えた26日、首都キエフの攻防が激しさを増す中、日本に住むウクライナ人らは「プーチンを止めて」と訴え、ロシアに対する最大限の経済制裁を求めた。

 「ウクライナ軍は善戦しているので、ロシア軍は住宅など民間施設へも攻撃を始めた」。大阪市内でIT企業代表を務めるナウモヴ・アンドリイさん(39)は目に涙を浮かべた。「5分ごとに状況は変わっている」と話し、キエフにとどまる兄夫婦家族との連絡は「二言、三言が取れるぐらい。市民には余裕がなくなっている」と明かす。

 祖国の惨状を「自分のこととして見て」と訴え、「経済制裁は手遅れだった。中国は侵攻の結果を注視している。制裁が弱く、ウクライナが占領されてしまえば、次は台湾、ベトナム、日本かもしれない」と連帯を求めた。

 世界の銀行間金融取引を担う「国際銀行間通信協会(SWIFT、スイフト)」からロシアを排除せよとの声も上がった。東京・JR渋谷駅前広場では、在日ウクライナ人の呼び掛けに応じた数百人が集まり、「ストップ・プーチン」「スイフトから排除」などと叫んだ。

 参加したグリゴリイ・シクリャリクさん(37)は、侵攻初日からキエフに住む姉との連絡が途絶えていたという。「15分前に無事だと母から連絡があった」と安心しつつ、「戦争をやめたい」。キエフ出身のアンナ・パルホメンコさん(33)は「人ごとだと思わないで反戦の声を世界で上げて」と訴えた。隣国ベラルーシ・ミンスク出身のワシリー・クラジョノクさん(43)は「母国では逮捕されるからデモはできないけど、皆の心はウクライナ支持。ロシアには禁輸やスイフト排除など強力な制裁を」と力を込めた。