カーリングの43歳石崎琴美、最年長メダリストに


信頼は絶大、4人を支えた客観的目線、きょう英国戦へ

カーリングの43歳石崎琴美、最年長メダリストに

カーリング女子決勝を翌日に控え、練習する石崎=19日、北京(時事)

カーリングの43歳石崎琴美、最年長メダリストに

カーリング女子決勝を翌日に控え、練習する(右から)藤沢、吉田夕、鈴木、石崎=19日、北京(時事)

 カーリングで日本勢初の銀メダル以上を確定させた女子のロコ・ソラーレ。一昨年に加入し、縁の下からチームを支えてきた43歳のリザーブ石崎琴美は、冬季五輪の日本最年長メダリストとなった。

 2002年ソルトレークシティー、10年バンクーバーと2度の五輪に出場。18年平昌大会ではテレビの解説者を務め、現役選手としてこの舞台に戻ってくるとは思ってもいなかった。19年に声を掛けたのは、ロコ・ソラーレを創設した本橋麻里さん。自身が競技の第一線を退くのを機に、石崎に後を託した。何度か断ったが、「結局、頭で考えるよりも気持ちが動かされた」と振り返る。

 カーリングのリザーブは試合後の深夜に1人、会場でストーンの状態をチェックし、他の4人に伝える役割もある。小野寺亮二コーチは「4人だけだと、だんだん視野が狭くなる。琴美ちゃんは本当に落ち着かせてくれるし、時には厳しいことも言ってくれる」と信頼を寄せる。

 石崎は「外から見ている分、見えてくるものがある」と、負けた時こそ客観的な目線での助言を心掛けてきた。「五輪は自然と重圧もかかる。4人じゃ解決できないことも出てくるので私が守りたい」。経験豊富なベテランは、精神的支柱だった本橋さんの穴を埋める役目も果たした。

 18日の準決勝後、リードの吉田夕梨花は「琴美ちゃんをメダリストにしたいとずっと思っていた」と感謝の思いを口にした。「まさか選手で取れるなんて思っていなかった」と石崎。少し戸惑いながらも、喜びを隠せなかった。(時事)