開始直後から見せた進化の一端､ プレスで王者･川崎を圧倒

１６年ぶり２度目の優勝を果たし、喜ぶ浦和イレブン＝１２日、日産スタジアム

後半、２点目のゴールを決める浦和の江坂（左）＝１２日、日産スタジアム

　開始直後から進化の一端が見て取れた。「今年の浦和はちょっと違うぞ、というところを見せるチャンス」。浦和の主将、ＧＫ西川が話していた通り、王者川崎のお株を奪う前線からの激しいプレスで先手を奪った。

　試合を左右したのが前半７分の先制点。江坂が酒井の右クロスをきれいに合わせ、「やろうとしていた守備がはまり、その流れからゴールができた。プラン通り」。試合終盤にも、中盤でのボール奪取から仕掛けた速攻で江坂が追加点。試合を決定付けた。

　阿部や槙野ら功労者が去り、大幅な新陳代謝を進めた今季。徳島時代にロドリゲス監督の戦術を支えた岩尾は、中盤で早くも存在感を示した。同じボランチが本職の伊藤、柴戸と豊富な運動量を見せて、川崎の大島や脇坂をけん制。明本を左サイドからＦＷに変えた指揮官の眼力も光った。

　主力数人を欠いていた川崎にはリーグ戦で２０１８年を最後に勝利がなく、リーグ王座を目指す上では倒さないといけない相手。「ただの勝利。しっかり切り替えて、リーグ戦へ向かいたい」と酒井。１週間後の開幕へ向けて、浮かれることなく顔を引き締めた。