福島県いわき市で、小型草食恐竜の化石を発見
40年前に発掘され再調査で判明、白亜紀では貴重な発見
福島県立博物館といわき市石炭・化石館などの研究チームは5日までに、約40年前に同市の約8600万年前(白亜紀後期)の地層で見つかった化石が、小型の草食恐竜であることを突き止めた。国内で白亜紀の地層から小型恐竜の化石が発見されるのは珍しいという。同日の日本古生物学会で発表した。
化石は1981~82年、いわき市大久町大久入間沢の地層「双葉層群玉山層」で行われた調査で見つかり、爬虫(はちゅう)類の化石として石炭・化石館が保管していた。昨年から改めて調査を行い、草食恐竜の一種「鳥脚類」の大腿(だいたい)骨の一部と判明した。化石の大きさ(長さ約11センチ、幅約4センチ)から体長1メートル程度の小型と推定される。約8600万年前の鳥脚類の化石が国内で見つかったのは初という。
今回の化石が発見されたのは、68年に首長竜「フタバスズキリュウ」の化石が見つかった場所から約200メートルと近い。福島県内で恐竜化石が見つかったのは10例目。研究チームの吉田純輝・同博物館学芸員は「今回の発見で、小型の鳥脚類恐竜も生息できる多様な環境があったと考えられる。今後も福島県は重要な研究拠点だ」と話している。