高木菜那選手、同走者と接触し不運な8位
スピードスケート女子1500m、妹と一緒に表彰台かなわず
スピードスケート女子の高木菜那選手(29)=日本電産サンキョー=が2大会ぶりに1500メートルに出場して8位に入った。妹の美帆選手と一緒に表彰台に立つ夢はかなわず、「悔しいレースになってしまった」と語った。
無念だったのは最後の1周の直線。同走者との交差で、自身に優先権があった場面で進路を譲ってもらえず、スピードをロスした。3位にわずか0秒52差。心の整理がつかない様子だったが「やれるレースはできた」と言った。
4年前の平昌五輪では、2006年トリノ大会から採用された団体追い抜きと、平昌で新種目となったマススタートで優勝した。ただ、五輪で実施されて半世紀以上になる1500メートルのような伝統的な種目ではメダルがなかった。
妹は10年のバンクーバー大会に中学3年で出場した。その姿をスタンドから見届けた時の「先を越された」という悔しさをバネに、自分も14年ソチ五輪から2大会連続で五輪代表に選ばれた。だからこそ、姉妹でそろって出場する今回の1500メートルに対する思いは特別だった。
新型コロナウイルスに感染し、今季のワールドカップでは思うような戦いができず、佐藤綾乃選手(ANA)にも1500メートル出場権獲得で先を越される苦しい状況。最後の1枠を小平奈緒選手(相沢病院)と争う構図になった昨年末の北京五輪代表選考会で滑り込んだ後、祝福の抱擁をしてくれたのは、妹だった。
金メダルを本命視された妹も、届かず銀。「この種目で金メダルを取ってほしかった。団体追い抜きでは奪い返せるように頑張りたい」。今度はチームメートとして妹と心を一つにする。(時事)