昨年教わった「考える野球」、「全員野球」で一戦必勝

選抜高校野球大会出場が決まり、撮影に応じる国学院久我山ナイン。前列中央はイチローさんから贈られたバットを手にする上田主将＝２８日、東京都杉並区

　選抜出場決定の報を受けた国学院久我山の上田主将は、「感染対策をしっかりしながら、チーム全員で準備を進めたい」と気持ちを新たにした。

　チームが掲げるのは全員野球。尾崎監督は「ベンチの外の選手も一緒に戦う」と強調する。昨秋は東京都大会を制覇。上田は「練習から全員で戦うことを意識し、それが優勝につながった」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現在は５９人の部員が５人程度のグループに分散して練習。インターネットも活用して課題を共有しながら一体感を保っている。

　昨年１１月にはプロ野球オリックスや米大リーグのマリナーズなどで活躍したイチローさんの指導を受けた。印象的だったのは「頭を使った野球を展開してください」との言葉。上田は走塁の際のコース取りなどを見直し、「常に考える野球を意識するようになった」という。

　その時、イチローさんから「これがあると見られているように思うでしょ」と譲り受けたバットを大事に保管。練習ではバックネット裏などに置いて励みとしている。上田は「教えていただいたことを体現して、恩返しをしたい。一戦必勝でいきます」。吉報を届けるためにも、まずは春の初勝利を目指す。